朝からパソコンのご機嫌が悪く。
コントロールパネルすら開く途中でフリーズするような状態。
やむを得ず、しばらくパソコンを休ませるつもりで、昨年末に押し入れから出しておいた古い書物の読み込みを始めることにした。
で、迷った末に最初に読み始めたのが『富士見二丁目交響楽団シリーズ』と呼ばれる、角川ルビー文庫の小説。さら~~~っと斜め読みした1巻目の時点で、実感した。
名作はやはり、名作なんだな・・・と。
BL作品が好きな方なら知ってる人も多いだろう。
秋月こお先生の代表作であり、2012年に実写映画化もされた。
SEXシーンもバリバリに描かれるBL小説なので、そういうのが苦手な方にはまったくオススメできない。がしかし[バイオリニスト守村悠季]の、内気で弱気でコンプレックスの塊だった情けない男からの、様々な紆余曲折や葛藤を経ての成長ぶりにはたいへん読み応えがあって、BL作品に抵抗が無い人にはぜひ一度読んでもらいたい作品ではある。
私は[ボーイズラブ]という言葉が世に出始めた頃の世代なので、かつてはその手の作品を多く読み漁っていたのだが、30台半ばくらいから次第に遠ざかり始め、現在はかなり食傷ぎみといった感覚になっている。
理由は、あまりにもBL作品が蔓延しすぎたせいで、もはやどんなネタも目新しさが無く、内容の乏しい作品が増えすぎてしまったから。それぞれの作品を書いておられる先生方には申し訳ないが、あまりにもウケ狙いの、商業ベースな作風が多すぎる。
そんな中、今でもこの作品が「読ませる」のは、秋月こお先生の表現力の豊かさと、[守村悠季]の音楽家としての成長という、一本筋の通った物語があるからだ。
とくに音楽家という人々の葛藤については深く掘り下げられていて(まぁ実際には違うだろうが)、とてもリアリティのある作風になっている。
おそらく1~2巻を読んだだけでは良さは伝わらない。
たぶん最初、ほとんどの人は(なんじゃこりゃ??)になるはずw
しかし3巻、4巻と読み進めていくうち、少しずつ昇華していく物語の面白さに惹き込まれていくんじゃないだろうか??実際、嵐のような展開は、少し読み返しただけで頭の中がふわふわした不思議な感覚になる。
ちなみにシリーズ第7部まであり、外伝も含めると50巻くらいの長編だw
う~~ん・・・いつかはこうした、名作が書ける作家になってみたいものだ。
そのためには、相当の努力が必要だろうけど。(;`・_・´)ン-
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